はじめて上司から言われた「注文書は金と同じだから大事に扱え」という言葉が忘れられません。その時は生協で働いていて、毎日山のような注文書に目を通し、商品を整理し、配送を準備するのが日課でした。だからその言葉を聞いた時、一瞬「何を言っているんだろう?」と思いました。なぜなら、私にとって注文書はただの紙、何百、何千とカウントする手間と時間を象徴するものだったからです。
でも上司はそうではないと言っていました。注文書は商品の売買を記録するものであり、その売買が成立すれば最終的にはお金となって戻ってくると。言われてみれば、その通りなのですが、その当時の私にはその深い意味が理解できませんでした。
今振り返ると、それは一種の視点の変換、ビジネスに対する新たな認識を与えるための助言だったのかもしれません。一枚の紙が全体のビジネスサイクル、顧客とのコミュニケーション、最終的には収益を生む機会を象徴するものだと認識することで、私たちは仕事の一部をより価値あるものと感じ、その取り扱い方も変わるのです。
とはいえ、これが普通の思考なのかどうか、という質問には直接答えることは難しいですね。しかし、考え方や視点を変えることで、一見単純なものがどれだけ価値を持つかを理解するのは、ビジネスの世界でも重要なスキルだと言えるでしょう。
そして、そういった視点を持つことで、私たちはより深く、より広い視野で物事を見ることができ、それはビジネスだけでなく、日常生活にも役立つのではないでしょうか。この体験から学んだことは、物事を一面的に見るのではなく、それが自分にとって何を意味するのか、どのように利用できるのかを考えることが大切だということです。
以上、私の経験から学んだ、一見単純な物事に価値を見つけ、それを大切にするための視点の変換について書かせていただきました。これが何かの参考になれば幸いです。