この夜は違った。私が手にした古書は、その表紙に刀と鎧が描かれ、血戦を予感させるものだった。私は恐る恐るそのページを開き、すぐに図書館の一部がゆらめき始めた。
星紙門が現れ、私に微笑んだ。「あなたが選んだのは、戦の時代、源平合戦へ繋がる扉だ。この旅は過酷なものになるだろう。だが、歴史を学ぶ者として、実体験は価値がある。覚悟はあるか?」
私は深呼吸をして、星紙門に頷いた。
そして、旅は始まった。
私は平安時代末期、源平合戦の最中に立っていた。目の前に広がるのは、兵士たちが衝突し、押し寄せる炎と共に戦う様子だった。この光景は、古書で読んだ任意の戦闘描写よりも生々しく、恐ろしくも現実的だった。
戦闘の最中にも、武士たちは自分たちの名誉と忠誠心を胸に、敵に立ち向かっていた。この激しい戦闘が、源氏と平氏の壮絶な争いを象徴していることを、私は肌で感じた。
しかし、その激しい体験も、流れ星の如く一瞬で終わった。次の瞬間、私は再び図書館に立っていた。
星紙門に感謝の言葉を述べると、妖怪はにっこりと微笑んで消え去った。
この経験を通じて、私は戦闘の恐ろしさと武士の名誉に対する深い敬意を感じることができた。これは、ただ古書を読むだけでは得られない価値ある体験だった。
そして、私はこれからも星紙門との冒険を続けていくことを誓った。次回はどの時代を選ぼうか、考えるだけで胸が高鳴る。