「分母が多い」という概念は、ビジネスにおいて非常に重要です。一般的に、商売を展開しようとする人々が東京のような大都市に集まるのはこの理由からです。それは人口の多さと商機の豊富さに引き寄せられるからです。
たとえば、あなたが特異なニッチな商売をしているとしましょう。目の前を毎日1万人もの人々が通り過ぎていくなら、必ずと言っていいほどその中から購買者が現れます。一方、これとは対照的に田舎の商環境は、その自由度を狭めてしまいます。
地方ではどうしても主流のニーズ、つまり大多数の人々が求める商品やサービスを提供しなければならないのが現実です。変わったもの、珍しいもの、新しいものを売っても、消費者のレーダーに捉えられず、結果として売れない可能性が高いのです。
多くの地方の店舗は、同じ商品を何十年も販売し続け、着実に衰退の道をたどっています。このような状況から、田舎には本当の意味での商売人が消えてしまう傾向にあります。商店を営んでいたとしても、売上よりも近隣の利便性を優先して店を開けている場合が多いため、経済的にはNPOと変わらないと言えるでしょう。
しかし、テクノロジーの進化は我々に新たな可能性を示しています。インターネットを利用すれば、地方でも都市と変わらぬ商売が可能です。世界60億の人々をターゲットにすることができ、田舎暮らしを楽しみながら、顧客となる人々は目の前を歩く人々ではなく、インターネットをサーフィンする人々に変わります。
そして、この新たなビジネス形態を利用し、田舎のNPOに寄付を行うことで、地方での評価を上げ、より豊かな生活を送ることができるのです。地元のコミュニティをサポートしながら、地方での生活を充実させ、同時にグローバルな視点でビジネスを展開する。これが、現代の商売人が目指すべき新たな道かもしれません。